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練習試合 VS信州大

2012/05/31

 少しずつ気温が上がってきた五月末、長野県松本の信州大学グラウンドで信州大との練習試合が行われた。昨季の南関東リーグを制し、高校時代の元県選抜(オール○○)の選手が多数プレーしているチームだ。一年生もメンバー表に名を連ね始め、レギュラー争いもついに本番。当然、個々人が自分の定位置のためにがむしゃらになることが予想され、キックオフ。




 しかし、ファーストプレーから相手に主導権を握られる。理由は明白で、FW戦で負けているから。チームのメンタルをも担うスクラムでは負け、マイボールで持ち込んだブレイクダウンでもことごとく相手のジャッカルの餌食に。まともにマイボールもキープできない。相手は展開、キック、FWと、ハーフ団を中心とした巧みなゲームコントロールでゲームを支配される。前半5分過ぎに自陣22m内でラインアウトモールを組まれ、成す術なく失トライ。その後も蹴っても相手のロングキックで陣地を押し戻されるか、カウンターされても接点とスクラムで不利なFWがまともなチェイスができるはずもなく、ロングゲインを許すかの二択。BKのフロントスリーを中心とした必死のラインDFで、何とか連続トライを許さないが、相手にゲーム時間のほとんどを支配され続けた。前半10分過ぎ、北山が相手パスをインターセプトし、深津→山崎とつなぎ山崎が裏へキック。相手が自陣のデッドラインへそのまま蹴り出して、5m前スクラムを得る。何とか出した球をCTB深津がインゴールへねじ込みトライし、同点に追いつく。しかし、またFWがマイボールキープに失敗しすぐに流れは相手へ。ペナルティキックですぐに自陣ゴール前へ戻され、簡単に失トライ。そんな中聞かれる声は、チームを気にする声ばかり。自分ができてない個人問題のはずなのに周りに何か言うばかりで、雰囲気も悪かった。


CTB深津のトライ。この日のBKは思い切りの良さが光った。

 後半に入り、相手はメンバーを大幅に変更。おそらく下級生が投入されたであろう相手に対し、こちらは積極的に展開。ある程度ゲインがとれ仕切り直し始めるが、ハーフ周りのコミュニケーションが無いもしくは、一方通行的で中々合わない。下級生中心の相手でもブレイクダウンなど接点で有利に運べない。相手のPKのノータッチなどにも助けられ、互いのミスで自陣敵陣の往復が続く。モールで相手インゴールまで近付いたりもするが取りきれず。自陣でもラインアウトモールでピンチを迎えるが、梅山のルール理解度の高さからターンオーバーを奪い、WTB平沢もロングゲインを見せる。しかし、終盤は高経がペナルティを繰り返し、自陣で厳しい時間が続く。最後は自陣インゴールで無理に展開し、ミスしたところをそのままトライされノーサイドとなった。


WTB平沢(左)この日も愚直にゲインを見せた

 タックラーの起き上がりなどの課題が出たが、ここでは別のことを書く。先にも書いたが、レギュラー争いの期間の試合で、そんなに周りを気にする余裕があるだろうか。自分の定位置確保に一生懸命にならなければいけないはず。そういう個人個人の気迫がまずこの試合では、あまり感じられなかった。自分ができていないのに他人の何が悪いという声の掛け合いもおかしい。そういう根本の人間性が変われば、おのずと雰囲気やチームもよくなると思う。人格が表れるスポーツのラグビーでは特にそうだ。人間成長のいい機会と思ってがんばろう。